登山で一番多いトラブルのひとつが「膝の痛み」です。特に下山中に膝が笑い始め、最後は痛くて歩けなくなる…という経験をした方も多いのではないでしょうか。

理学療法士として膝の痛みに悩む患者さんと日々向き合っている私が、登山者に知っておいてほしい3つのことをお伝えします。

1. 下山で膝が痛くなる本当の理由

下りで膝が痛くなるのは「膝が弱いから」ではありません。大腿四頭筋(太もも前側の筋肉)が疲弊して、膝関節への衝撃を吸収できなくなるのが主な原因です。

下山時は体重の約3〜5倍の負荷が膝にかかります。その衝撃を筋肉で受け止められなくなると、関節や腱に直接ストレスがかかり、痛みが出ます。

対策: 日常的な太もも前側の筋トレ(スクワットなど)と、下山時にストックを使って衝撃を分散させること。

2. 登山前のウォームアップを省かない

「時間がないから」「めんどうだから」とウォームアップを省く方が多いですが、これは膝痛を招く大きな原因です。

冷えた筋肉・腱は柔軟性が低く、急な負荷に対応できません。特に早朝スタートの登山では、気温も低く筋肉が硬くなりがちです。

おすすめのウォームアップ(5分):

  1. その場足踏み × 30秒
  2. 膝の屈伸 × 10回
  3. 股関節の回旋(足を大きく回す) × 左右10回
  4. ふくらはぎのストレッチ × 左右20秒

3. 登山靴とインソールを見直す

足のアーチが崩れた状態で歩くと、膝への負担が増大します。特に「扁平足気味」の方は、インソールを変えるだけで膝の痛みが劇的に改善することがあります。

また、登山靴のサイズが合っていないと、足が靴の中で動いて余計な負荷がかかります。登山靴は必ず試し履きして、下り坂で爪先が当たらないかを確認してください。


膝の痛みは「気合いで乗り越えるもの」ではなく、原因を理解して事前に対策できるものです。次回の登山前にぜひ試してみてください。